【赤の少女と白い虎】 17. 禁術の発動 (作・あだちあきこ)


翌日の新月の夜。 小さな袋に龍の儀式の材料を詰め込んだわたしは、 こっそりと部屋を抜け出した。 もう戻れないかもしれない。 そう思った。 

真っ暗な新月の夜は、世界の輪郭がよく見えるだろう? 細い山道もくっきりと見えた。 そして、ほどよい木々に囲まれた、ある場所にたどり着いた。 全て計画通りさ。 


そこで頭に焼き付けた龍の陣を 大地に小石をつかって、正確に刻んだ。 材料をひとつひとつ、決められた場所に置いた。 何度も何度も見直したよ。 全ては完璧だった。 

赤龍と青龍が現れ、腹に収まり、新しい力を得る。 そのイメージを思い浮かべて、瞑想をした。

そうして手元のロウソクを吹き消し、 天に向かって、言の葉を放ち、 とても静かに、両の手で陣にふれた。 その瞬間。


わたしの体は、空高く宙を舞った。


正確には、何かに弾かれ、吹っ飛ばされた。

頭から落ちたことだけ覚えている。


気がつくと、真っ白な空間に一人で倒れていたんだ。


〜つづく

からだ部

からだ部とは、「からだを感じる」をコンセプトに、部員たちがモノをつくり発信する部活道である。 主な活動は、 1)メディア 2)ワークショップ 3)企画 の三つになります。

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