映画のある暮らしvol.11「湯を沸かすほどの熱い愛」

2月は何を書こうかな?と思っていた矢先、

これがすごく良くて、書かずにはいられない…!

ということで、2月はこちら

「湯を沸かすほどの熱い愛」をねじ込ませていただきます。


2016年に観ていたら確実にランキングに入ってました。それくらい良かった。

(石川は田舎なのでこういう映画は公開日が少し遅かったりする…。)

このフリーペーパーはとりあえず持って帰ってもらってとっといてください。

ネタバレがあるので観た後に読んでね。


観てない人はぜひ観てください。予備知識なしで!

(どんな映画でも観ない方がいいと毎回のように言っていますが、)

予告も見ないでいいです!公式HPも開かなくていいです。

まっさらな気持ちで、とにかく観てほしい。

以下ネタバレありです。


なんの期待もなく観たんですが、わたしは観終わったあと疲れました。泣き疲れ。

涙腺崩壊の嵐。

この映画のすごいところは、


①伏線回収に重ねた数回の泣かせポイント、

②キャスト、

③極めつけのタイトルシーン だと思います。


ってタイトルシーンだけで1つの項目とれるくらいにラストシーンがパーフェクト。

文句のつけようがない!


お話は一言でいえば、

余命を宣告された末期ガンの双葉(宮沢りえ)が家族のために奮闘するというものなのですが、ありがちな闘病お涙頂戴系ではないんですよね。

たしかに病気は確実に双葉の身体を蝕んではいるんだけど

むしろそれをばねにしているというか。

時間がないことを体感して突っ走っていく双葉の愛とバイタリティがすごい。


何度見ても発見がある映画だと思います。

たとえば、何度も出てくる食事のシーン。

好きな色の話。タカアシガニ。旅行の話。出会う人。

これらはほんの一部で、細かい伏線がところどころにちりばめられています。

特に下着のシーンと海外旅行の一連の流れとカニ旅行のどれも、

(すごく細かいことなんだけど)観客に対する軽~い裏切りがあるところが良い。


彼氏ができたときのためにと贈られた下着をどう使うのか思案させといて、

クラスの生徒の前で脱ぐ とか。


海外旅行のくだりでは、旅行に行くとしてもこの雰囲気でエジプトって、そりゃないなーと思っていたら、まさかの人間ピラミッド とか。


カニ旅行の前夜に「今夜(娘に)話してくる」と宣告していたのは病気のことではなく、

唐突にも生みの親の話だった とか。

観客の予測をしっかり汲み取られているんですよね。ウマいです。


下着のシーンでは、色の話にも注目。

双葉の娘・安澄(杉咲花)は水色が好きと言い、双葉は赤が好きだと言います。

「おかあちゃんは、断然赤。情熱の赤が好き!」と言うように

劇中に赤色が多用されており(車とか服とか、食べ物とか。)、

それがイコールおかあちゃんの存在であり愛なんでしょうね。


ほかにも、

食卓を囲むシーンがいくつかあってその都度メンバーや空気感が異なっていたり。

旅行に出かけるときにクラクションを鳴らしながら車を発進させるシーンと、

終盤で霊柩車がクラクションを鳴らしながら出棺するシーンがリンクしていて

同じ構図だったり。


登場人物すべてに何かしらの問題があって、

それを紐解いていくように解決していくんですけど

その瞬間ひとつひとつがめちゃくちゃ泣けてしまう。


さらにその瞬間が前触れもなくいきなり来るので、

まさにジェットコースターのような映画なんですね。


そんな映画なのですが、

このキャストでなければここまで傑作にならなかったのではないかと思います。


双葉の旦那・一浩役のオダギリジョーが最高。

へらへらしているけど、誰よりも双葉のことを想ってるんですよ。

もうこれ以上にないハマり役です。


肝っ玉母ちゃんを演じきった宮沢りえさんは、

元々細いけどこの撮影のために相当痩せたみたいです。

屈託のない笑顔と泣き顔に、こちらまで感情が揺さぶられました。


そして何と言っても、一番よかったのはやっぱり安澄役の杉咲花ちゃん。

いじめられっ子で、抑え込んで我慢していて、か弱くて。

でも実は大きな勇気と優しさを持っている。感情の表現が素晴らしいです。


お見舞いにいって泣きそうになってこらえて笑いかけるシーンなんて、もうもうもう。

彼女なしではここまで感動しなかったと思います。


双葉って時には厳しいけど、

彼女の行動のすべての根底にあるのはやっぱり愛なんですよね。


血の繋がりを超えた家族愛。

他人をも巻き込む愛。

抱きしめるという愛情表現。


そんな愛あるおかあちゃんの行動が

周りの人たちをぐいぐいと引っ張っていき無事に「やるべきこと」を終えるのですが、

この映画の一番良いシーンは、

彼女がいなくなったのちに残された人たちが彼女のために行ったラストの弔い。


あぁああ、まさか。そうきたかあああ。

タイトルばーん。

はい!最っっ高!!

号泣しながらもあたたかい気持ちに包まれるという。


ちなみにこれ、何かのインタビューで読みましたが、先頭の番台としては本望なんだとか。


公開館数は少ないし、DVD化もおそらく4月ごろかと思われますが、これは絶対に劇場で観るべき作品だと思いました。(といってももう機会がないかも知れないですが)

超おすすめです!ぜひぜひ、観てくださーい!わかでした。


【一人映画部】 若林理恵(Waka)



からだ部

からだ部とは、「からだを感じる」をコンセプトに、部員たちがモノをつくり発信する部活道である。 主な活動は、 1)メディア 2)ワークショップ 3)企画 の三つになります。

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