映画のある暮らしvol.10「2016年の映画RANKING」前編

この号はついに冊子になりました!

表の絵は、元旦に5時間ぶっとおして描きました (絵を描く効率が悪いわたし..)。

と、いうわけで、2016年もたくさんの映画を観ることができました。

数えてみたらなんと140本ほど。そのうち劇場鑑賞は70本くらいでした。

「ベストテン選出は、選び手の映画に対する視点が浮き上がってきます。 よって、ベストテンに選ばなかったものにも本質があると思ってます。」 とツイートしていたのは映画評論家の中井圭さん。
うん、本当にそうだとおもいます。

(そんな彼の2016年のベストは「ハドソン川の奇跡」) 

というわけで、2016年クリスマスの夜中に吟味して選び抜いたこの10選。

 正直、順位なんて関係なくて、しいて言うなら、とつけただけです。
全体的に見て2016年に公開された映画は「邦画と実話系」がアツい一年だったと思います。


ランキングは、

1位シング・ストリート 未来へのうた

2位この世界の片隅に

3位ROOM

4位レッドタートル

5位ドント・ブリーズ

6位海賊じいちゃんの贈りもの

7位レヴェナント

8位グッバイ、サマー

9位ヒメアノ~ル

10位 ディストラクションベイビーズ


まず邦画について。

ランクインしなかった作品も挙げると、
漫画が原作で大泉洋主演の「アイアイムアヒーロー」も、
興行収入80億円突破の「シンゴジラ 」も、
話題になった「発売」も、クオリティが既成概念を覆す凄さでした。 

邦画って、ハリウッド映画のように現実離れしたアクションがあるわけではないんですよね。 

でも今年の邦画は、「実際にありそう」感をうまく使い、

さらに、期待のナナメ上をいく作 品が多かったのが印象的でした。 

ヒメアノ~ルもディストラクションベイビーズも(アイアムアヒーローもシンゴジラも君の名は。も) どれも正直そんなに期待していなかったんです。

そもそも邦画自体、
ありきたりな演出とありきたりな演技が苦手でそんなに好きじゃなかったんですけど、
ここまでできるのかとびっくりしました。

演出・脚本・キャスト・アクションがよく練られています。
「本当にありそう」感からの「えっ そこまでやっちゃうの?」っていう流れが良かった。

で、実話系について。
2016年は、「ザ・ウォーク」、「ブラックスキャンダル」、「リリーのすべて」等、
これが本当にあった話なの?と思うような作品が多かったように思います。
ドキュメンタリーも、
「ヤクザと憲法」、「シティズン・フォー」、「FAKE」が面白かったです。
特にシティズン・フォーなんて、ドキュメンタリーに思えないくらいの出来。
監督・脚本のローラ・ポイトラスの秀逸さ!是非見てください。

そんな総括をふまえて、順位ごとに紹介していきます!


10位「ディストラクション・ベイビーズ」は配役が素晴らしい。
柳楽優弥と村上虹郎が兄弟。
さらに菅田将暉、小松菜奈、池松壮亮.. これ以上ないキャストだと思います。
演技のパワーというか迫力がものすごい。 

で、監督の真利子哲也はなんと 1981年生まれ(若い!)。
脚本のほうは、「桐島、部活やめるってよ」の脚本を手がけた喜安浩平と真利子哲也が共に担当。 

柳楽演じる主人公がひたすら喧嘩を繰り返し、
周囲の人間を狂わせていくという話なのですが
けして暴力を肯定しているわけではない作品。
「こいつら何したいんか私には到底わからんわ..」 と、遠い目で見るのが正解です。


9位「ヒメアノ~ル」は特にあの不穏なオープニングが良い。 

一見どうでもいいほのぼのしたシーンがだらだら続いて、
タイトルが出て狂気の本編が始まるっていう。
派手ではないけど映画らしい演出ができていて良かったです。
 主演のV6の森田剛がハンパなく怖い。
普段のジャニーズの姿をみているだけにギャップがすごい。本当にありそうで怖い。
とあるシーンを交互に映し出すコントラストもサイコーに気持ち悪くてサイコーです。
もう1回みたい!…とはならないくらい嫌な映画なんだけど(笑)、
そういった演出たちが邦画の既成概念を良い意味で裏切ってきて、
まさかのラストの切なさも相まって余韻の残る作品だったのでした。


8位「グッバイ・サマー」は、「エターナルサンシャイン」の監督のミシェル・ゴンドリーの自伝的なお話だそう。
もうね、主役の二人が本当に可愛い。
青春しているオトコノコ、可愛い!でもやっぱ子供〜〜!もう最高。
どこがって、全部!!萌えます。 

ハイタッチをしようとして断られて逃げ場のなくなった手とか、
個展のシーンはホント最高。友達ってサイコー!
子供の頃って誰でもこういうこと考えるよね、っていうあるあるが盛りだくさん。
わたしも子供の頃のことを忘れないように生きたい。
 何度も観て、この良さが分かる人と語り合いたいです。
(あ、なんか薄っぺらい感想になってしまった。)


7位「レヴェナント」はアカデミー賞で監督賞・主演男優賞・撮影賞・作品賞の4部門受賞、ノミネート は7部門にも及びます。
ってこれだけでもう凄い(笑) これ本当にタイタニックと同じレオ様なの?と思うくらいに
繰り広げられる死闘、まさに死闘。
ずっと画面は暗いし、バタバタと人が死んでいくので、みていてつらさしかない作品。
この映画は時系列順に撮影されているらしく、
本編を見るだけでも十分分かるけど撮影状況がかなり過酷で、
スタッフやキャストもだんだん心が折れそうになっていったらしいです。
ということを踏まえて鑑賞していただくと、アカデミー賞獲ったるで!という
監督の気持ちがひしひし伝 わります(楽しみ方間違ってるか)。
ラストのレオ様の顔が「もう主演男優賞あげてやろうよ」という気持ちにさせたのかも知れません。

肩凝り必至の作品です。


6位の「海賊じいちゃんの贈りもの」。
いろいろあるけど家族ってそんなもんよ、ということを教えてくれる映画です。
老人と子供の組み合わせは面白さの相乗効果をもたらします。
途中からの展開に、「えっ、こんな話?」とびっくり。
(わたしはそういう映画が好きなのです) この映画は2月ごろに観て、当時の暫定1位でした。
もう~~、子供たちが愛らしくて!最初の石のくだりからもう可愛すぎ。
ツッコミどころは色々あるけど、
ひっくるめて好き! 子供の頃の体験って一生心に残るし、
その後の人生にも大きく影響してくると思います。
きっとこの子供達はのびのび育つだろうなあ..と映画を観た後にひとりで妄想していました。 手を叩くシーンが最高です。あんなん笑うわ。
笑いあり涙あり、
最後には「観てよかった!!」と叫びたくなるちょっとおバカなブリティッシュコメディ。
邦題がダサいのが惜しい(原題は「What we did on our holiday」)。
母親役のロザムンド・パイクも好きです。ゴーン・ガール最高です。


5位の「ドント・ブリーズ」は、ホラー映画を初めて劇場で観れた記念。

しかもこれめちゃ面白い。

3人の若者が盲目の老人の家に強盗に入ったら老人が超強かったってい う、
ホラーというよりスリラーです。密室スリラー。
「盲目の老人」というのがミソなんですよね。
暗闇の中、老人が若者を追うシーンがあるのだけど、
私たち(観客)には見えてるからこそ怖い。
逃げて!逃げて~~!ってハラハラする。
またしつこいんだわこの老人が。めちゃめちゃ怖い。

最初のシーンが最後の方に掛かっていたり
アイテムや部屋に所々伏線が張られていたりと全体的な構成もまとまっていて
見せ方がすごくうまい。
あとやっぱりじいさんの執拗に執拗すぎる執着心がサ イコーです。
正直若者には同情できなかったけども。
ホラー苦手でも見れます。でも疲れます。笑
観るならぜひ部屋を真っ暗にして見てみてください。


4位の「レッドタートル」。
正直観るつもりはなかったんだけど、
とある方に「観てみて!」とおっしやっていただいたのがきっかけとなりました。
この映画に関しては不思議なことがいくつかあって。
多分、そういう何かの力を持った映画なんだと思います。
内容や世界観と、その時の気持ちがうまいことはまったというか。 

わたしは本編開始5分前に劇場に着くことができる時間逆算王なんだけど(特技です 笑)、
この日は遅れたというわけでもないのに席に着いた瞬間本編が始まって、
放心状態でぼーっとしながら観てたんですけど、
いつものように予備知識なしで観てたので、
セリフがないことに観てから気づいたっていう。

あらすじは公式 HPより。


嵐の中、

荒れ狂う海に放りだされた男が

九死に一生を得て、

ある無人島にたどり着いた。

必死に島からの脱出を試みるが、

見えない力によって 何度も島に引き戻される。 絶望的な状況に置かれた男の前に、

ある日、

一人の女が現れた


まあ、こんなお話。昔話っぽくもあり、ファンタジーでもあり。
「どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?」というコピーがとてもよく合ってます。
好き嫌いは分かれると思います。
でもわたしにとっては、

「いのち」を感じたその日にこの映画を観られたことはきっと何かの意味があったんじゃないかなと思います。

セリフがないだけに、言葉では説明できない何かがきっとある。
わたしのメモには、
「いのち、愛、学び、別れ。素晴らしい映画だった」とありました。
こころを静かに包み込んでくれる映画です。



さてさて そんなところで、後編はまた半月後に!


【一人映画部】 若林理恵(Waka)

からだ部

からだ部とは、「からだを感じる」をコンセプトに、部員たちがモノをつくり発信する部活道である。 主な活動は、 1)メディア 2)ワークショップ 3)企画 の三つになります。

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