ポスト vol.1 (坂尾菜里)

 窓の外が白い。曇ったガラスに人差し指で円を描いた。円から水滴が垂れて、円は円でなくなっていく。冷たい窓の感触を確かめたくて、手の平を窓に当ててみた。

 積雪は2cm。昨晩大騒ぎしていたのがバカみたいだ。

 ベッドから降りる。床も7時間人が乗っていないせいか冷え切っていて、歩くのが億劫になる。

 あと30分。あと30分したら外に出なければならない。



 雪国の雪を見てみたい。きっとこんなに汚くないし、重くない。靴底が剥がれそうなローファーの先から冷たい水。べしゃべしゃと響く足音。どうして私は歩いているのだろう。

 太陽は顔を出し始めているし、それならばもっと早くから晴れて欲しかった。

「おはよう」

 後ろから声を掛けられて振り向くと同級生がいた。

「おはよう」

 第一声は自分ではないみたいで、今日も1日始まったと実感する。

「雪、降らなかったね。今日休みだと思ってたのに」

「ね。しかも今日体育あるし。だる」

「ねえ知ってる?鈴木先生ってアル中らしいよ」

「なにそれ」

「マジで」

 べちゃべちゃ。足先が冷えていく。靴下の代えがない。

からだ部

からだ部とは、「からだを感じる」をコンセプトに、部員たちがモノをつくり発信する部活道である。 主な活動は、 1)メディア 2)ワークショップ 3)企画 の三つになります。

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