理性を脱ぎ捨てるほどに 【デパーゼvol.11】


「眠くなった。」
 


文絵は、

梅酒を四杯飲んだ末、

寝室に行った。
 


僕が食器を洗いだすと、 

「ねぇ、来て。」 と、

寝室から彼女が呼んでくるが、 

「洗ったら行く。」 

と答えた。 


「は〜や〜く。」
 


始まった。
 

文絵はときおり、駄々をこねる。
 

食器を洗ってから寝室へ行くと、文絵はすでにパジャマに着替えていた。
 


文絵が何を求めているのかわからなかったため、 

「今夜、どうしたらいい?」
 

と、尋ねた。
 


文絵は、大声で、
「泣く!」 と、叫んだ。 


「泣く?」 

「今夜は泣く。」 

「何かあったの?」 

「ないけど、泣く。だから、慰めて。」

「わかった。」
 


彼女はベッドでうずくまると泣き出した。
 

やがて、理性を脱ぎ捨てるほどに、泣きじゃくった。

僕は、彼女の背を何度もさすった。
 

彼女を見ていると羨ましくなる。
 


僕も一緒に泣きたい、そう思った。  




作 青剣

絵 ヤマネコトリコ


からだ部

からだ部とは、「からだを感じる」をコンセプトに、部員たちがモノをつくり発信する部活道である。 主な活動は、 1)メディア 2)ワークショップ 3)企画 の三つになります。

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