神様の樹 1 (作 青剣)




子供たちが輪になって踊っている。  

皆、夜空に笑顔を浮かべて。  

やがて、その子供たちは闇にとけていった。


   


夢を、見ていた。  

となりで眠る晋作の寝息で、ここが二人の部屋だと気づかされる。

イチは『なぜ戻ってしまったのだろう。』と胸の奥でつぶやいた。


その声にならぬ声が吐息となってあふれると夢で最も会いたかった人物を生み出した。  

ただソレは、傍にいる晋作と比べると、あまりにおぼろげであった。

そしてソレはもう、あの頃のように語りかけてくることはなかった。  


イチは「カズ」と呼んだが、ソレは何も応えることなく、そっと夜へと溶けていった。  

夜が明けるまでまだまだ時間があった。    


夢は、もうその日、見なかった。   



作 せいけん

絵  鈴吉




からだ部

からだ部とは、「からだを感じる」をコンセプトに、部員たちがモノをつくり発信する部活道である。 主な活動は、 1)メディア 2)ワークショップ 3)企画 の三つになります。

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